文章資料など
細々としたメモや文章を溜まり次第まとめています。
ライター:○○
駒鳥区は、言わずもがなではあるが大きな都市だ。都心に近く、この区だけでも大抵のものは揃う。大きなビルが立ち並び、せわしなく車が走っている。経済成長とともに貿易を主軸として拡張していった海沿いのこの街では、無計画に近代的なビルが立ち並んでいる様子を見ることが出来る。
筆者が実際に赴いた際特に印象深く感じたのは、この街の二面性だ。駒鳥にはいくつかの大通りが存在する。賑やかで、全国に名を連ねるようなチェーン店が集中している想像通りの大通りだ。
しかし、大通りから少し外れるとあっという間に閑静な場所に出る。賑わっている部分と閑静な部分が入り組んで存在しているのだ。出た場所が整備された住宅街であれば良いが、もしもシャッター街や狭い路地に出たならば早急に立ち去るべきだろう。
駒鳥区には住み分け(と呼んで差し支えない構造)がある。現在は別種のビジネスが優位にあるものの、元々貿易で発展したこの街には様々なバックグラウンドの人間が住んでいる。
もちろん、大都市の恩恵を受けている者たちだけではない。その過程で没落した者や親が不法入国者であるがゆえに戸籍を持てなかった渡来者2世、裏商売を商う犯罪グループ等が空きビルや路地にたむろしている。何かをきっかけに道を踏み外し、あっというまに社会の暗部に堕ちていく者も少なくないと、案内所の職員が話していた。
警察や行政もこの件は把握しているものの、上記のようにある程度の住み分けができてしまっていること、それらの地域がモザイク状に存在しているため摘発・保護に長い時間と大きな費用が掛かること等を理由に対策に踏み切れていないのが現状だ。
駒鳥区は非常に華やかな街であり、様々な楽しみ方が出来る素晴らしい街でもある。だが、訪れる際には周囲をよく観察しながら歩いてほしい。通りから外れないこと、それが我々にとっての1番の自衛となる。
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